これまでUXデザインについて様々な例を出しながら説明してきましたが、どうしても学術的な説明になってしまい、また理解に必要な専門用語が多いので、皆さんの中にUXデザイン=難しいものというイメージが先行してしまっている感じがします。確実に習得するには様々な専門知識が必要ですが、しかし、過去の記事でも何度も説明している通り、誰でも習得できるもので、UXデザインは課題解決策を探すためや、新しい価値を創出するため、目標を達成するためなど様々なことに応用できます。とくに組織やチーム内でマネージメントポジションにいる人、経営メンバーの方々にとって非常に有効的かつ大きな利益をもたらす手法です。

自分はUXデザイナーになる前、6年間レストランでシェフをやっていました。シェフとUXになんの関係性もないかと思われるかもしれませんが、しかし料理を学ぶことは、なんとUXデザインそのものなのです。そこで、今回は料理という皆さんに馴染みがある内容を使ってUXデザインを説明したいと思います。

person pealing green cucumber inside room

皆さんは料理をご自宅でされますか?料理をするときに、何を一番に考えて料理をしてますか?不味くすることは考えてませんよね?

調味料やスパイスを情報(知識)として捉える。

自宅に塩と胡椒しかなければ、どんなに食材が豊富にあっても味は塩と胡椒のみです。もちろん食材の旨味を楽しむことはできますが、味という価値観は塩と胡椒の2種類だけです。しかし、醤油や味噌、砂糖、クミンにターメリックなど調味料やスパイスの数が増えれば増えるほど、表現できる味は増え、楽しみ方も倍増します。しかし、料理の方法がわからないと、どのタイミングで調味料を使うべきか、その量もわかりませんし、例え立派な調味料を持っていても美味しい味になる保証はありません。

これが、まさに現在起きているUXデザインに関する学びの現状です。ユーザービリティやペルソナ、ユーザーリサーチなどに関する内容はネット上に多く情報が出ているので、すでに知っている方が多いですが、それらはあくまでも情報(調味料)でしかなく、それをどのように使うのかデザイン(料理)する方法を知らないので、結果UXデザインがうまく応用できずに問題解決できていないケースが多いのです。調味料(情報)をどのタイミングで使い、適切な量がわかれば、料理(価値)は美味しくできますよね?

インド料理のようにたくさんのスパイスを使って料理をすると、色んな多種多様な味を表現できます。しかし、分量やいれるタイミングを学ばなければ、美味しいどころか辛すぎて食べられない料理になってしまいますよね?

assorted-color spices

様々なジャンルの料理方法を学ぶ。

日本食しか作れなければ、当然日本食の価値観の枠からはみ出すことはありません。それに加え食べられる人は、日本食が好きな人もしくは、日本食に抵抗がない人になります。しかし、イタリア料理やスペイン料理、タイ料理など様々な国の料理ができるようになると、色んな味を楽しむことができますし、色んな人の対応をすることができます。そして、色んな国の料理の調理方法を組み合わせて(フュージョン)、新しい体験を生み出すことが可能です。

ビジネスでは色んなお客さんを獲得していく必要がありますが、お客さんの背景や状況に応じてビジネスに求めてくる内容が変わります。そういったときに、もし1種類の料理しかできなかったとしたら、その価値観に満足するお客さんしか獲得できません。しかし、様々なジャンルの料理ができるようになると、生み出せる価値観が多種多様になるので、色んなお客さんを獲得できるようになります。まさに、様々なジャンルの料理を学ぶというは、UXデザインで重要な、顧客セグメントに応じて価値観を作り上げていくことと同じことなのです。

料理は単に調理するだけでなく、盛り付けも重要です。どんなに美味しくできあがっても、料理の見た目がよくなければ美味しそうに感じられません。つまり、盛り付け方法=UIデザインです。

誰でも美味しいモノを食べたいと思う欲。

当たり前の話ですが、誰でも不味いものを食べたいわけではなく、美味しいモノを食べたいと思うはずです。それは、一度美味しいモノを食べたら幸福感や満足感が得られるからで、まさにそういった価値観を継続して得たいわけです。レストランに常連客がつくようになるのは、サービスの良さとか様々な要因がありますが、まず最低でも料理の味が絶対に美味しくなければいけません。当たり前ですが、不味い料理しか出せない店は潰れますよね?これをビジネスに置き換えてみましょう。ビジネスにおいて顧客の維持に必要なのは、良い(美味しい)と思う価値観の継続した提供であり、悪い(不味い)となれば顧客は離れていきます。シンプルなゲームです。

そして、美味しいものを継続して獲得したければ、美味しい料理の作り方を学んだほうがいいのは明確です。ただ、お金があれば常に美味しいものを食べ続けることはできるので、料理を絶対に学ぶ必要がないと思う人もいるかもしれません。しかし、それは他人が作った価値観を食べているだけであり、またお金というコストが永遠とかかります。それに加え、料理に何が使われているのかパッと見ただけではわからないため、本当に健康にいいのかどうかさえわかりません

しかし、料理ができるようになるとこれらの問題はすべて解決できます。UXデザインができるようになると、様々な問題を可視化することができ、解決へ導くことができるのです。
自分が元々レストランで働いてたので、UXデザインをこのような捉え方しているのは自分だけかと思いますが、少しでも皆さんの馴染みのある内容に置き換えて理解が深まることで、少しでもUXデザインの普及に繋がれば嬉しいです。

焦らず専門家にまず相談しよう

プロジェクトの内容に関わらず、なるべく早いタイミングでUXデザインの専門家に相談することが、UXデザインをスムーズに実践するための最善策です。場合によってはUXデザイナーが必要ではなく、UIデザイナーで対応できる話かもしれませんし、そもそもUXデザイナーという外部の専門家にお願いしなくても、チーム内のリソースだけで対応できる話かもしれません。

このような判断をプロジェクトの開始時点で行うことができれば、無駄なコストをかけずに進めることが可能です。UXデザインをどのように開始するのか悩んでいたら、是非お気軽にお問い合わせください。無料でご相談受け付けています。

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