バイアスとヒューリスティックの意味を登山の例の置き換えて説明したのが前回の記事ですが、今回はバイアスとヒューリスティックとUX/UIデザインの関係性の理解を深めるのに役立つ本をいくつか紹介したいと思います。これらの本を読むことは、UX/UIデザインに限ったことではなく、セールスとマーケティングに関わる全ての人にお勧めの本です。

1.「変化を嫌う人」を動かす:魅力的な提案が受け入れられない4つの理由

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最近読んだ本の中で、一番UX/UIデザインに関して非常に意味のある内容になっています。ヒューリスティックについて様々な例をもとに書かれており、UX/UIデザインだけでなく、新製品やサービスを売るときに気をつけなければいけないことが数多く書かれています。読めば読むほど、こんな当たり前のことになぜ気づかなかったのだろうと、当たり前すぎるが故に見落としている人間の深層心理について、行動経済学の視点とあわせて詳しく説明されています。

この「当たり前」というのも、ある意味バイアスでもあるわけですが、「変化を嫌う人」というのは言い換えれば「当たり前」を変えることに抵抗がある人のことを指しています。つまり、この本自体もどういう捉え方で読み解くかで、当たり前が当たり前じゃないように感じるかもしれません。

2. 「異文化理解力」: 相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養

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この本はビジネスにおける異文化理解に特化していることで、学術的な視点が強かったこれまでの異文化理解の文献と異なり、「評価」や「リーダーシップ」といった、文化の違いが生まれやすい「8つのマネジメント領域」に沿って解説しています。そもそも文化というのは総じていうと、人間が社会の構成員として獲得する多数の振る舞いの全体のことであり、社会組織(年齢別グループ、地域社会、血縁組織などを含む)ごとに固有の文化があるとされています。この本では、グローバル企業内で頻繁に目にする異文化ギャップ、例えば「なぜオランダ人やドイツ人はダイレクトに意見を言うのか」などについて書かれているのですが、解釈や理解の仕方は、UX/UIデザインにおいてユーザーリサーチをするさいに非常に役立ちます。ユーザーリサーチの対象が自分と同じ国出身で話す言語の数も同じ、生まれ育って見てきているもの同じということはありえない話なので、どこの国のどのユーザーに向けて製品やサービスを展開していくのかを考えるさいに、この本の理解はUX/UIデザインに非常に意味があります。

3. 「FACTFULNESS(ファクトフルネス) 」: 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

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色んな国でベストセラーになった本ですが、本書では世界の本当の姿を知るために、教育、貧困、環境、エネルギー、人口など幅広い分野を取り上げ、いずれも最新の統計データを紹介しながら、世界の正しい見方を紹介しています。メイン著者のハンス・ロスリング氏が自身の経験を通して、賢い人ほど世界についてとんでもない勘違いをしているという気づきから、この本が生まれています。本の中で、「世界の基本的な事実にまつわる13問のクイズ」を紹介しているのですが、どの質問も、大半の人は正解率が3分の1以下で、ランダムに答えるチンパンジーよりも正解できない。しかも、専門家、学歴が高い人、社会的な地位がある人ほど正解率が低いという事実を見抜いています。そのためチンパンジークイズと著者は命名していて、その理由は、10の本能が引き起こす思い込みにとらわれてしまっていることを紐解いています。まさにバイアスとヒューリスティックそのものの話で、自身の中の無意識の囚われや歪みを実感するためには非常に効果的な本です。

これら3冊の本は、全て共通して様々な具体例が書かれており、バイアスやヒューリスティック、UX/UIデザインという言葉は多く出てこないものの、結局のところ全て認知=捉え方に関する話なので、新しい気付きや価値を知りたい人にもお勧めの本です。

焦らず専門家にまず相談しよう

プロジェクトの内容に関わらず、なるべく早いタイミングでUXデザインの専門家に相談することが、UXデザインをスムーズに実践するための最善策です。場合によってはUXデザイナーが必要ではなく、UIデザイナーで対応できる話かもしれませんし、そもそもUXデザイナーという外部の専門家にお願いしなくても、チーム内のリソースだけで対応できる話かもしれません。

このような判断をプロジェクトの開始時点で行うことができれば、無駄なコストをかけずに進めることが可能です。UXデザインをどのように開始するのか悩んでいたら、是非お気軽にお問い合わせください。無料でご相談受け付けています。

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Genki Brothersでは一人でも多くの方にUX/UIデザインの理解を深めていただくために、UX/UIデザインに関してまとめたガイドラインを無料配布しています。これは、Genki Brothersの創業者であり、UX/UIデザイナーでもある私、河村が、「人との繋がり」UXデザインして立ち上げたスタートアップ事業「コネクト」をベースに書き上げたものです。この機会にご興味ありましたら、下記フォームよりお申込みください。自動返信案内にてダウンロードリンクをご案内しております。

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